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AI AT WORK / 仕事・開発

AIプロンプトの書き方:仕事で使える依頼文と、出力を確かめる手順

初心者向けに、目的・材料・出力・条件を分けた依頼文の書き方と、AIの下書きを人が確認して直す手順を、架空の安全な例で解説します。

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AIに仕事を頼むとき、最初から長い指示を書く必要はありません。相手に何をしてほしいかを、あとで見直せる形にします。目的、材料、ほしい出力、守ってほしい条件を分けると、依頼文も修正の理由も整理しやすくなります。

プロンプトはAIとの会話を始める入力です。仕事の下書きをつくり、足りない点を見つけるためのたたき台と考えてください。OpenAIは目的や文脈を明確にし、応答を見て指示を調整する進め方を勧めています。[1]

まずは「何のために」を一文にする

依頼の出発点は作業の目的です。「文章を作って」だけでは、誰に何を伝える文章なのかが分かりません。たとえば「社内勉強会の案内を、参加予定者が予定を確認できる形で下書きにする」と書けば、文章の役割が見えます。

目的が決まったら、次の4つを別々に置きます。

  • 目的:何を決める、伝える、整理するための作業か
  • 材料:AIに渡す事実、メモ、前提
  • 出力:見出し、箇条書き、表など、ほしい形
  • 条件:入れない内容、文字数、確認が必要な点
目的・材料・出力・条件を分けて依頼文を組み立てる図
図:目的・材料・出力・条件を分け、依頼文の不足箇所を見つけやすくする。

この4つは、文章を立派に見せるための型ではありません。回答がずれたときに、目的の説明が足りなかったのか、材料が不足していたのか、出力の形式が曖昧だったのかを切り分けるためのものです。Anthropicも出力形式や条件を具体的に示し、順序や漏れが困る作業では手順を明示することを案内しています。[2]

架空の依頼文を、小さく完成させる

次は架空の例です。実在の会社名、顧客情報、未公開の予定は入れていません。

目的:架空の社内勉強会について、参加者向けのお知らせの下書きを作る。
材料:テーマは「仕事でのAI活用」。開催候補日は11月の平日夕方。会場と開始時刻は未定。
出力:件名案を3つ、本文を250字以内で1案。最後に「未定の項目」を箇条書きで分ける。
条件:確定していない日時や会場を補わない。参加費や申込方法は書かない。やわらかい敬体にする。

この依頼文では事実と未定の情報を混ぜていません。材料に「未定」と書き、条件でも補わないよう指定しています。AIが案を出したあと、「会場」「開始時刻」「申込方法」が本文に勝手に入っていないかを確認しやすくなります。

出力の形も件名案と本文案、未定項目に分けました。確認する人が「案を選ぶ」「本文を直す」「未定を埋める」という別の作業をしやすくなるからです。条件に文字数や文体を足す場合も、必要なものだけに絞ります。条件を増やしすぎるより、最初に目的と材料をそろえる方が、修正点を見つけやすいことがあります。

入力する材料は、仕事に必要な範囲に絞る

AIに渡す前に、材料そのものも確認します。目的に関係しない個人情報、顧客情報、未公開の資料は、依頼文へそのまま貼り付けません。必要な事実だけを抜き出し、名前を役割名に置き換えられるか、日付や金額を伏せても下書きの目的を果たせるかを考えます。

たとえば案内文の型を作りたいだけなら、実在の参加者名や連絡先は不要です。「参加予定者」「担当者」のように置き換え、確定した情報だけを使います。実際の仕事で扱える情報の範囲は、所属組織のルールや利用するサービスの条件も確認してください。この確認では、材料を渡してよいかを決めます。

足りない出力は、欲しい情報を一つずつ足して直す

最初の出力が期待どおりでなくても、全部を書き直す必要はありません。どこが足りないかを一つ選び、その箇所だけを依頼に足します。

たとえば本文に未定の開始時刻が書かれていたなら、「未定の項目は本文に仮の値を書かず、末尾の『未定の項目』にだけ挙げる」と追加できます。件名案が長すぎるなら、「件名は20字以内」と指定できます。仕事の背景が伝わっていないときは、「参加者はAIを使い始めたばかりの社員」と必要な文脈を補います。

修正は「もっと良くして」のような評価だけで終わらせず、観察した事実に寄せるのがコツです。

  • 何が不足したか:未定の情報を仮定していた
  • どこに出たか:本文の開催案内
  • 次に守ってほしいこと:仮の値を置かず、未定項目として分ける

この順で書けば、次の依頼は「何を変えるか」が明確になります。出力を見て調整する流れは、公式のプロンプトガイドでも基本的な考え方として示されています。[1]

最後は人が、事実・条件・用途を確認する

依頼文が具体的でも、出力をそのまま使う前に人が確かめる工程は残ります。特に、社外に出す文章、数字、日付、制度、顧客に関する内容では、元の資料や担当者の確認が必要です。出力内に出典らしき表記があっても、それだけで内容が正しいとは言えません。

下書きから、事実と条件を確認し、修正と人の承認へ進む図
図:下書きから、事実と条件を確認し、修正と人の承認へ進む。

確認は次の順で行うと、作業を分けやすくなります。

  1. 事実:固有名詞、数字、日付が元の資料と合っているか
  2. 条件:未定、対象外、禁止事項が守られているか
  3. 用途:読む相手と公開範囲に合う内容か。個人情報や未公開情報を入れていないか
  4. 承認:使う責任を持つ人が最終稿としてよいか判断する

Anthropicの公式ガイドは、プロンプトを直す前に成功条件を定め、その条件に対して試せるようにすることを前提にしています。[3] 個人の仕事でも同じように、「今回は何ができていれば使えるか」を先に決めておくと、AIの出力を採用するか、依頼を直すかを判断しやすくなります。

依頼文は、次の確認につながる下書き

よいプロンプトは、AIにすべてを任せるための文章ではありません。目的、材料、出力、条件を分け、出力で見つけた不足を次の依頼に戻すための文章です。まずは架空の小さな題材で、目的を一文にし、未定の情報を分け、出力を人が確認するところまで試してみてください。

参考にした公式資料

  1. OpenAI Help Center, “Prompt engineering best practices for ChatGPT”
  2. Anthropic, “Prompting best practices”
  3. Anthropic, “Prompt engineering overview”